新井吾朗 職業能力開発研究室

職業能力形成をめざす一人ひとりの努力が報われる環境の構築をめざして

北欧

フィンランド徒弟訓練と職業資格

201610

「技術教育学の探求」に、以下のテーマの論文が掲載されました。

フィンランドにおける徒弟訓練 (その2)
- 職業資格取得のための評価を中心に -


名古屋大学大学院教育発達科学研究科 技術・職業教育学研究室
技術・職業教育学研究室研究報告 : 技術教育学の探求 15, pp.1-18 2016-10



20151020

日本産業教育学会で、以下のテーマの報告をしました。

フィンランド徒弟訓練における能力評価について
報告要旨
発表スライド

フィンランド職業教育の特徴は以下のとおり。(職業教育のうち、在職労働者が在職のまま職業資格取得を目指す仕組みが徒弟訓練。今回の報告の題名は徒弟訓練に限定しているが、能力評価の方法は全ての職業教育で同じ。)
①基礎職業資格、高度職業資格、専門職業資格の3段階資格取得を目指す。
②前項職業資格を取得するための後期中等教育、高等教育へのアクセスが柔軟。
③職業資格のためのデモンストレーションによる評価は、企業が求める能力を評価する妥当性を重視していて、実用上許容できる客観性で運用されている。
④企業の採用活動と職業資格取得、職業教育が密接に関連している。
⑤国民の職業能力形成を企業で行うが、企業任せにしない公共性を維持している。

さてこうした仕組みから日本を見たときに、日本をどう評価すればいいか。
①日本の国民の職業能力形成は企業にまかされていた。
②日本で職業資格が発達しなかったのは、企業が企業内で通用する職業資格(職能資格制度をはじめとする能力を基準にした人事制度)を有していたことで、企業外で評価される職業資格は必要なかった。
③そのため企業に雇用される労働者は、その職業能力を外部の企業で評価してもらうことができなかった。=労働者は企業を移るのは不利だった。企業は労働者の囲い込みに成功した。
④この状況は、期限の定めのない労働契約を結んでいる労働者にとっては問題なかった。
⑤期間を区切って企業を移動せざるを得ない非正規雇用(有期労働契約)の労働者にとっては、新たな職場で以前の職場での職業能力形成を評価されない問題が残った。
⑥そうして、企業間で通用する職業資格を誰が整備すべきかを真剣に議論するときが来たと言えるのではないか。
と思うのだが、いかがだろう。

20151019

「技術教育学の探求」に、以下のテーマの論文が掲載されました。

フィンランドにおける徒弟訓練
-徒弟訓練と職業資格の関係を中心に-
 

名古屋大学大学院教育発達科学研究科 技術・職業教育学研究室
技術・職業教育学研究室研究報告 : 技術教育学の探求 12, 36-51, 2015-04-01
科学研究費補助金事業(基盤研究(B))「北欧における職業教育・訓練の改革に関する総合的研究 : 新しい「徒弟訓練」を中心に」(研究代表者: 横山悦生)中間報告書( その1 )

20150401


フィンランド職業教育の基本情報

(1)フィンランド大使館ウェブページ
フィンランドで学ぶ
http://www.finland.or.jp/public/default.aspx?nodeid=46063&contentlan=23&culture=ja-JP

(2)フィンランド教育文化省ウェブページ
http://www.minedu.fi/OPM/?lang=en

(3)フィンランド国家教育委員会
http://www.oph.fi/english

(4)フィンランド国際相互認証センター(Center for International Mobility:CIMO)ウェブページ
http://www.studyinfinland.fi/






 

フィンランドの徒弟訓練と職業資格

日本産業教育学会で、以下のテーマの報告をしました。

フィンランド徒弟訓練における能力評価について
報告要旨
発表スライド

フィンランド職業教育の特徴は以下のとおり。(職業教育のうち、在職労働者が在職のまま職業資格取得を目指す仕組みが徒弟訓練。今回の報告の題名は徒弟訓練に限定しているが、能力評価の方法は全ての職業教育で同じ。)
①基礎職業資格、高度職業資格、専門職業資格の3段階資格取得を目指す。
②前項職業資格を取得するための後期中等教育、高等教育へのアクセスが柔軟。
③職業資格のためのデモンストレーションによる評価は、企業が求める能力を評価する妥当性を重視していて、実用上許容できる客観性で運用されている。
④企業の採用活動と職業資格取得、職業教育が密接に関連している。
⑤国民の職業能力形成を企業で行うが、企業任せにしない公共性を維持している。

さてこうした仕組みから日本を見たときに、日本をどう評価すればいいか。
①日本の国民の職業能力形成は企業にまかされていた。
②日本で職業資格が発達しなかったのは、企業が企業内で通用する職業資格(職能資格制度をはじめとする能力を基準にした人事制度)を有していたことで、企業外で評価される職業資格は必要なかった。
③そのため企業に雇用される労働者は、その職業能力を外部の企業で評価してもらうことができなかった。=労働者は企業を移るのは不利だった。企業は労働者の囲い込みに成功した。
④この状況は、期限の定めのない労働契約を結んでいる労働者にとっては問題なかった。
⑤期間を区切って企業を移動せざるを得ない非正規雇用(有期労働契約)の労働者にとっては、新たな職場で以前の職場での職業能力形成を評価されない問題が残った。
⑥そうして、企業間で通用する職業資格を誰が整備すべきかを真剣に議論するときが来たと言えるのではないか。
と思うのだが、いかがだろう。

20151019

「技術教育学の探求」に、以下のテーマの論文が掲載されました。

フィンランドにおける徒弟訓練
-徒弟訓練と職業資格の関係を中心に-
 

名古屋大学大学院教育発達科学研究科 技術・職業教育学研究室
技術・職業教育学研究室研究報告 : 技術教育学の探求 12, 36-51, 2015-04-01
科学研究費補助金事業(基盤研究(B))「北欧における職業教育・訓練の改革に関する総合的研究 : 新しい「徒弟訓練」を中心に」(研究代表者: 横山悦生)中間報告書( その1 )

20150401


フィンランド職業教育の基本情報

(1)フィンランド大使館ウェブページ
フィンランドで学ぶ
http://www.finland.or.jp/public/default.aspx?nodeid=46063&contentlan=23&culture=ja-JP

(2)フィンランド教育文化省ウェブページ
http://www.minedu.fi/OPM/?lang=en

(3)フィンランド国家教育委員会
http://www.oph.fi/english

(4)フィンランド国際相互認証センター(Center for International Mobility:CIMO)ウェブページ
http://www.studyinfinland.fi/






 
プロフィール

職業能力開発総合大学校
能力開発応用系 准教授
博士(教育) 新井吾朗

職業訓練指導員養成課程で職業力開発技術の普及を担当しています。
また、職業資格と職業能力開発の技術を研究しています。もともと、別分野の研究のつもりでしたが、近年は職業資格の日本的な特徴が、日本での職業能力開発の技術の適用状況を曖昧にしているという考えに至っています。

記事検索